中途採用がうまくいかない場合に何から見直せばよいか?|改善のポイント解説

中途採用がうまくいかない場合、あなたなら何から見直しを考えますか?

“うまくいかない” 要因を考えると「応募者が少ない」「ターゲットからの応募がない」「選考途中で離脱してしまう」「内定承諾率が低い」など、さまざま理由が出てくるかと思います。
そんな時、要因は複数あるけれど、中途採用を成功させるために具体的に何から手を付けて良いのか分からない、という相談をよくいただきます。
新卒採用と異なり、中途採用は毎年採用職種や採用ターゲットが変わったり、これまで採用したことがない職種や部署で採用を行うことも多く、過去の採用活動がそのまま活かせないことがままあります。
また、転職マーケットは流動的であり、需給バランスや採用競合が多い人気職種などはコロコロ変わります。

本コラムでは、中途採用がうまくいかない場合、まずどんな切り口で改善策を考えるか。何を見直せば良いのか。具体的な事例を用いて解説します。

目次

うまくいっていない求人の現状を整理する

見直しを行う前に、まずは下記の観点から現状の整理を行いましょう。
ここでの作業は、そこまで厳密に行わなくても問題ありません。求人毎に把握できているのが理想ですが、数が多い場合は、職種レベルの大雑把な把握で大丈夫です。後述する具体的な見直しを行う上で、ここでの現状整理が、仮説や判断の精度を高めます。
また、採用部門と見直しの調整を行う際にも、ここで整理した内容を提示して話し合いを行うことで、現場も求人の状況が理解でき、スムーズに調整を進めることができます。

(1)競争環境の把握
「転職マーケットに対象は多数いるが競合求人も多い」「転職マーケットに対象が少なく、かつ競合求人は多い」「競合求人は少ないが、そもそも対象となる人も少ない」など、求人ごとに置かれた競争環境が異なります。
すでに把握できていれば問題ありませんし、分からなければリクルートやDODAなど大手エージェントが職種別の求人倍率を発表していますので確認してみましょう。既にエージェントやダイレクトリクルーティングサービスを使用しているようであれば、営業担当者に直接聞いてみるのが手っ取り早いです。

(2) ボトルネック(問題箇所)の把握
募集〜採用決定までの採用フローの中で、何がボトルネックになっているのか把握しましょう。そして、そのボトルネックの解消を念頭に、後述する具体的な見直しを行います。
複数のボトルネックがあるように感じる場合は、重要度が高いもの、解消した時のインパクトが大きそうなものから取り掛かります。分からなければ採用プロセスの前半のボトルネックから取り掛かかればOKです。
あるボトルネックを解決すると、また違うボトルネックが出てくることもありますが、ひとつずつボトルネックを解消していけば問題ありません。
例)応募が来ないのか/応募は来るが対象者がいないのか/書類選考の通過率が悪いのか/選考途中で候補者が辞退してしまうのか/面接の通過率が悪いのか/内定辞退が多いのか

中途採用がうまくいかない時に考えるポイント

大きく分けると下記3点が、見直しを行う切り口です。

① 採用要件(ペルソナ)の見直し
② 採用手法(チャネル)の見直し
③ 採用オペレーション(プロセス)の見直し

※「ペルソナ」とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、採用に関して用いる際は「具体的な採用ターゲットの人物像」を指します。例えば●●会社の●●を担当している●歳くらいの人といった形です。 

① 採用要件(ペルソナ)の見直し

一口に採用要件と言っても、様々な要素があります。
今回は分かりやすく、「経験・スキル」「人物・コンピテンシー」の2つに分類し考えてみます。
「経験・スキル」は書類上で、「人物・コンピテンシー」はお会いして(面接)で分かるポイントです。
応募者の母集団形成に課題がある場合は「経験・スキル」を。
母集団形成は問題ないが、その後のフローで問題が発生している場合は「経験・スキル」だけでなく、「人物・コンピテンシー」も含め見直しを行いましょう。

今回はターゲットからの応募が集まらないという母集団形成に問題があるケースを想定し、「経験・スキル」について見直しを行います。
先の現状把握を行った結果、「ターゲットが限定的過ぎて、ほとんど市場にいない」と分かったとしましょう。

例:商品設計リーダーの採用要件
・大手電機メーカーで民生品(コンシューマー製品)の製品設計を行っている
・白物家電の開発経験がある
・既存製品の改良設計のみならず、過去に新規製品の製品設計を行ったことがある
・3D-CADを使用できる
・ハードウェア全般(機械、電気)の技術的な知見を持っている

・指示がなくてもプロジェクトの達成に向けて自立自走ができる
・現状維持ではなく、常にチャレンジ志向を持っている
・人物的にマネジメントの適性、志向がある

上記採用要件を「経験・スキル」「人物・コンピテンシー」に分解すると下記になります。

経験・スキル

・大手電機メーカーでの設計経験
・民生品(コンシューマー製品)向け電化製品の設計経験
・白物家電の開発経験
・新規製品の設計経験
・3D-CADの使用経験(ツール:AutoCAD)
・ハードウェア全般(機械、電気)の知見

コンピテンシー・人物像

・指示がなくてもプロジェクトの達成に向けて自立自走ができる
・現状維持ではなく、常にチャレンジ志向を持っている
・人物的にマネジメントの適性、志向がある

今回は経験・スキルについて見直しを行いますので、「経験・スキル」について、「所属」と「経験」の軸で分解します。

所属

・製造業であること
∟(上記に加えて)大手企業であること
 ∟(上記に加えて)電機メーカーであること
  ∟(上記に加えて)コンシューマー製品を作っていること

経験

・製品設計の経験を持っていること
∟(上記に加えて)コンシューマー製品の開発経験があること
 ∟(上記に加えて)白物家電の開発経験があること
  ∟(上記に加えて)新規製品の開発経験があること
・電気と機械分野の知見があること
・3D-CADの中でもAutoCADの使用経験があること

このように、「スキル・経験」を分解して整理すると、これまで何が見直し可能か分からなかった要件について、見直しが検討できそうなポイントが見えてきます。
「大手企業での経験はなぜ必須なのか?」「白物家電の経験はなぜ必須なのか?黒物も含めてはだめか?」「異なる3DCADツールの経験でも良いのでは?」「電気分野の知見は尚可条件では?」「要件の中で、いずれかで良いといった設定が可能か?」など、要件を整理したことによって、見直す切り口が可視化されました。
もちろん外せない要件もありますが、採用がうまくいかない際には、上記のように採用要件を分解し、採用部門と要件の見直しを行いましょう。
要件の見直しを行ったら、ターゲットはどんな人なのか、具体的なペルソナも考えられるとさらに良いです。見直した採用要件と一緒にペルソナをエージェントに共有したり、ペルソナに対してスカウトメールを送るなど必要なアクションを実施します。

採用要件見直しのポイント

・課題に合わせて、「経験・スキル」「人物・コンピテンシー」いずれかの見直しを行う
・採用要件を分解する
・自社の要件を満たす対象は、転職市場(転職顕在層)/世の中(転職潜在層も含めて)にどれだけいるのか?を認識した上で検討する
・募集する部署や同じ職種で活躍する社員を参考に、本当に必要な要件と尚可条件に分ける

② 採用手法(チャネル)の見直し

応募者の母集団形成で課題がある場合、採用手法(チャネル)の見直しを行います。
ハローワーク、人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、リファラル(縁故)、自社HP、SNSなど、応募者を獲得する採用手法(チャネル)は数多く存在しており、さまざまなサービスがあります。

採用チャネルごとの特徴まとめ

上記は代表的な採用チャネル、及び特徴をざっくりとまとめた図です。

よくこんな状況に遭遇します。
・応募者が全然足りないにも関わらず、リファラルや自社HPなど母集団の量は期待しにくいチャネルの検討をしている。
・採用の知見が乏しい状態で、ノウハウを必要とするダイレクトリクルーティングに時間をかけている。
・母集団は困っていないのに、プロセスの見直しでなく新しい手法に手を出している。
・人事のマンパワーが足りないのに、運用工数がかかる手法を取り入れる。
・採用ターゲットが限定的なのに、応募者を絞れない手法を選択しNG対応ばかりが増えている。

このように、採用課題や自社の状況に合わないチャネル選択をしていませんか?
現状や課題ををきちんと整理した上で、自社に合った採用チャネルを選択していきましょう。
各チャネルごとに、様々な特徴を持つサービスや人材会社があり、職種によっても効果的な採用チャネルは異なります。
そのため、採用担当者は迷ってしまい、いたずらに新しい採用手法に飛びつきがちです。
大量の中途採用を継続的に行っている企業を除いては、たくさんの手法を組み合わせて採用活動を行う必要性がないことがほとんどです。

実態としては、コストがかけられない、工数がかけられない等、なんらかの制約条件があることがほとんどだと思います。
それらを踏まえて、適切な手法を選びましょう。
また、採用チャネルを広げることに何ら制約条件がない、採用のプライオリティが高い場合は、チャネルを広げることに積極的にトライすべきです。
採用活動に苦戦しており、①の採用要件の見直しができない場合は、採用チャネルを広げることを検討しましょう。

採用手法(チャネル)見直しのポイント

・各チャネルごとの特徴を踏まえて、採用課題、コスト、採用のマンパワーなど自社に合った手法を選択しているか確認する
・むやみやたらに新しい手法に飛びつかない
・状況に応じて、要件見直しか、チャネルを広げるか、もしくは両方検討する

③ 採用オペレーション(プロセス)の見直し

母集団形成に問題はないのに、採用決定者が増えない。そのようなケースでは、採用プロセスに課題があります。

・選考途中での離脱が多い
・内定オファー後の辞退が多い
・面接の通過率が悪い
・現場面接で高評価の人が最終面接で落ちる
・面接感によって通過率がバラバラ

上記のような事象が発生していれば、高い確率で選考プロセスに問題があります。では、原因はどんなものが考えられるのでしょうか? さまざまな原因や改善方法がありほんの一例ですが、代表的な原因について解説します。

原因① 応募〜内定までの選考期間が長い

一般的に、応募から内定までにかかる期間は3~4週間前後です。
応募者側の日程調整状況や業界、企業規模などによって前後しますが、応募から内定までに1か月以上かかっている場合は見直すべきです。

自社を明確に第一志望としている応募者を除き、選考期間が長くなればなるほど、他社内定による途中辞退が発生したり、内定の承諾率は下がります(他社はオファー面談まで終わらせている、通過連絡が早いことで候補者の印象が良化するなどの影響)。
直近では、オンライン面接が主流となっており、更に選考期間が短くなっている傾向にあります。
選考期間の短縮化は、コストをかけなくても出来る有効な施策の一つです。選考期間が短縮できるようオペレーションの見直しを行いましょう。

ポイント
・書類選考期間、日程調整方法の見直しなど、短縮できるプロセスを改善する
・オンライン面接を導入する

原因② 面接の仕方が悪い

面接では「見極め」と「意向醸成」の2点が大切です。 面接に慣れていない、下手な面接官ほど、「見極め」に時間をかける傾向があります。すると、「質問は一通り回答したが、求められるミッションや業務についてのイメージが持てなかった。」「面接官のバックグラウンドや組織の中の立ち位置が分からず、質問への回答に苦労した」など、面接後に志望度が下がるようなフィードバックが多く発生します。

ポイント
・事前に職務経歴書を読み込み、不要な質問(職歴書を見れば分かること)を減らす
・面接の時間配分を事前に決めて、「見極めの時間」「意向醸成の時間」をバランスよく確保する
・候補者の志向性や自社への応募理由を把握し、面接内で候補者に響くアピールを行う


以上、中途採用がうまくいかない場合に、何を見直したらよいのか?考える切り口や改善の例について、まとめました。
「重要な採用ポジションであるため、採用要件は妥協できない」「採用コストは増やせないので、新たな採用チャネルは増やせない」など各社によって事情が異なり、ひとくくりにこれをすれば良いといった正解はありませんが、考える型はあります。
要件を広げることができないのであれば、チャネルorプロセスを見直す、のように、自社で対応可能なポイントを着実に見直すことが大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、改善策を考えてみてください。

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