採用面接の役割とは?|面接でやってはいけないNG事例付き解説

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面接に関わる人が知っておくべき3つのポイント

面接は、企業と応募者双方の将来を左右する重要な場です。
一般的に、中途採用の面接回数の平均は2~3回程度です。その限られた回数の中で、応募者の見極め・合否のジャッジ・求人に関する情報提供・意向醸成など、面接官がやらなければならないことは沢山あります。
これらを効果的に進めるためには、面接方法や面接に関する共通認識、面接官のトレーニングなどが必要となるでしょう。
ところが、面接官としてのトレーニングや人事からの説明を受けずに、面接官にアサイン(任命)されている方も多いようです。そのため、面接官によって、聞くこと、面接の対応、面接官への印象、通過率もバラバラといった企業もあります。

今回のコラムでは、より良い面接を行なうために必要な、人事や面接官が認識しておくべき「面接の役割」「やってはいけない面接対応」「面接対応が悪い場合の企業としてのリスク」の3点について解説します。

面接の3つ役割

まずは採用活動における面接の役割を整理します。
企業視点では大きく分けて、下記3つの役割があり、どれも欠かすことができない重要な役割です。

(1)応募者の本来の姿を引き出し、自社で活躍できるかを見極めること

面接官は、面接を通じて応募者が保有している能力やスキル、人材特性を正しく把握しなければなりません。
また、応募者を採用した場合にどのような活躍を見せてくれるのかをシミュレーションし、自社や配属を予定している部署との相性についてもしっかりと見極めなければなりません。
しかし、一度の面接ですべて把握することは困難です。確認できたこと、できなかったこと。それに対しての評価と、評価の根拠を整理し、人事や次の面接官に申し送り事項を必ず共有することをルール化しましょう。

(2)応募者に対して、自社への魅力づけを行い、意向を高めること

人材大手のパーソルキャリアが行った20〜30代のdoda会員向けのアンケートによると、74.8%の方が「面接(1次・2次・最終)を受けたことにより、応募先企業への志望度が高まった経験がある」と回答。逆に69.1%が「志望度が下がった経験がある」と回答しています。
つまり、面接の対応によって辞退率や内定承諾率が大きく変わってくるということです。
(1)の候補者の見極めの意識が強い方は、「自分が聞きたいことをひたすら質問、深堀りを続ける」傾向にあります。もちろん、その熱意が応募者に伝わり、稀に意向が高まるケースはありますが、大概は意向が下がります。
候補者の見極め以外の面接の役割を意識し、面接内で時間を使うバランスに注意することが必要です。
(参照)https://www.dodadsj.com/content/200325_impression/

(3)消費者(ユーザー)としての応募者に対して自社にポジティブな印象を与えること

面接官は、会社の印象を左右する広告塔の役割を担っています。もし応募者が入社すれば社員になりますが、選考で落ちたり、内定を辞退する可能性もあります。その場合、面接で感じた印象が、消費者(ユーザー)としての企業イメージとなります。従って、選考の結果問わず、できるだけ良い印象を持ってもらえるように意識する必要があります。

特に、消費者向けサービスや製品を扱う会社ではこの視点は非常に重要です。
候補者は応募しているくらいなので面接前は企業に対し良い印象を持っていることが大半です。悪い印象を持たれれば、顧客を失う可能性があります。このデメリットを面接官に認識させておかなければなりません。
また、仮に落ちたとしても良い印象を持って帰ってもらえれば、ファン化し、企業にとって良いユーザーになってくれる可能性もあります。

やってはいけない面接対応(NG集)

ケース①:準備せずに面接に望み、面接時間で選考見極めができない

面接回数をいたずらに増やすだけではなく、応募者の意向を下げることにも繋がります。職務経歴書や履歴書を見れば分かることを、今はじめて読んでいますといった体で質問されると、当然良い印象は持ちません。事前にきちんと内容を確認し、その上で確認したい点を質問することが重要です。
また、職務経歴書だけではなく、前回面接官や人事からの申し送り事項(評価や懸念点、志望動機など)は必ず確認しましょう。

ケース②:面接官からの説明(自己紹介、部門紹介、企業紹介など)がなく、ひたすら質問責め

面接とは、言い方を変えると「初めて会った相手から、自分のキャリアや能力に関する質問を受け続ける場」です。面接とはそういうもの、と割り切っている方も多いですが、質問責めの結果、役割や期待の理解や、相手への心象は高まるでしょうか?最低限、面接冒頭に自己紹介の部門紹介を行い、話しやすい状態を作り、候補者本来の姿を引き出す努力をしましょう。
候補者として中途面接を経験したことがある方なら分かりますが、全く知らない相手に、自分のキャリアを説明することは思っているよりも大変です。

ケース③:高圧的な態度で面接を行う

論外です。未だに、ストレス耐性を測ることを目的に高圧的な態度で、圧迫面接を行っている企業も一部いるようですが、果たしてストレス体制を測るための手段は圧迫面接の他に無いのでしょうか?ストレス耐性を重視するのであれば、適性テストの方がはるかに正確で有効です。
圧迫面接では当然ながら意向は下がりますし、そのような面接をされた中でも自社への入社意向が高い人材しか採用できなくなります。その中に本当に優秀な人材はまずいないでしょう。企業にメリットがありません。

ケース④:早期に面接NGの判断を行い、予定より大幅に短く面接を切り上げる

面接を行う面接官側は、業務の一部として面接を行います。一方で面接を受ける応募者の大半は現職中であり、なんとか現職のスケジュールを調整して面接時間を捻出しています。そして面接に向けて少なからず、準備を行って望んでいます。それが開始5分で面接が終了したらどんな気持ちでしょうか?NGの人に時間を割きたくないという気持ちも理解できますが、自社の求人に興味を持って応募していただいていることを理解し、敬意を持った対応を心がけましょう。
失礼な対応により候補者がアンチとなってしまうと、転職関連の口コミサイトで悪く書かれたりと、会社全体の採用活動にマイナスの影響を与える可能性があります。

ケース⑤:職業差別につながるような質問を行

職業安定法で定められている面接内で控えるべき質問内容について、面接官は認識し対応しなければなりません。
下記は厚生労働省HPからの引用です。

aやbのような適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねて把握することや、cを実施することは、就職差別につながるおそれがあります。

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

引用:厚生労働省のHP(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm)

面接対応によって発生する3つの企業リスク

(1)企業ブランディングの低下

人事や広報など、外部の人間との接点が多い方や長らく面接官を務めている方を除き、「自分の面接の対応が会社の広告塔になっている」と言う点を理解されている方は少ないです。
TwitterやFacebook、LinkedIn等、実名での発信が多いSNSの普及により、面接官の対応が企業ブランドを著しく毀損した事例が数多く発生しています。企業の採用ブランドにマイナスとなっているような事例の詳細を見てみると、芳しくない面接結果が起因していることはほとんど無く、面接内での高圧的な対応や発言など、面接官の対応に起因しているケースがほとんどです。
特に一般消費者向けのサービスや製品を扱う企業であれば、面接内での対応に限らず、応募者に伝えるNG理由などに注意が必要です。なお、世界的に有名な消費者向け製品を扱う企業の採用チームでは「選考NGとなる方をいかに減らせるか(ミスマッチな応募自体を減らす)」を重視しており、NG人数を採用KPIに設定し、数値のモニタリングを行っています。

(2)将来的な再応募機会の損失

・自社を取り巻く環境が変わり採用基準が変わった結果、過去に応募があった方が採用対象となった。(採用ターゲットの変更)
・過去に応募があり選考NGだった応募者が、その後数年で大きく成長し、ヘッドハンティングしたい。(応募者の成長)

上記2つはよくある話です。近年では応募者の同意を得た上で、過去応募者を集めたタレントプールを作り、応募者と中長期的に関係を構築している企業が増えています。このような企業では、採用要件が変わったタイミングで再度接点を取ったり、自社の事業状況の変化があった際に情報発信を行ったりしながら、必要なタイミングで面談を行っています。
一方で、再度面談を組もうとしても、上手くいかない企業も発生していますが、過去の面接において、先に説明したなんらかの「やっていけない面接対応」が起因しているケースがあります。 面接を行う相手は、前提として書類選考を通過している方ですので、「いつかまた面接する可能性がある」ということを意識しておきしましょう。

(3)エージェントから協力が得られなくなる

人材紹介会社にとってのクライアントは企業、転職者双方です。ビジネスモデル上は、採用する企業からフィーをいただく形ですが、人材紹介会社は転職者希望者を集客するためのマーケティング活動を行ったり、親身なキャリアカウンセリングを行ったり、転職経験がない方に対しての面接対策を行ったりと、転職者に対して様々な取り組みを行っています。個人からの評判、口コミは、転職者を集客する上で人材紹介会社にとって非常に重要です。
そのため、面接対応が悪い(やってはいけない面接対応)を繰り返す企業に対しては、あまり候補者を紹介しなくなる傾向があります。


以上、「面接の役割」「やってはいけない面接対応」「面接対応が悪い場合の企業としてのリスク」の3点をまとめました。
ぜひ今回の記事を参考に、自社の面接のやり方を見直すきっかけにしてみてください。

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