人材紹介会社からの推薦を増やす情報提供術lエージェントの種類と具体例

中途採用を行っている多くの企業にとって、人材紹介サービスは外すことが重要な採用手法の一つです。事実、HR総研が行った2019年のアンケートでも、中途採用で利用している手段・サービスとして、73%の企業が人材紹介を挙げており、他を抑えて1位となっています。

キャリア採用で利用している手段・サービス

キャリア採用で利用している手段・サービス一覧

出展「ProFuture株式会社/HR総研」:https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=223

上手く人材紹介会社と付き合えていない、どんな情報を提供すれば推薦が増えるのか分からないなどのご相談をいただくケースがありますが、近年では人材紹介会社から企業人事への転職も増えており、人材紹介会社(以下エージェント)を活用できている企業とそうでない企業の差が広がっています。
今回のコラムでは、エージェントのビジネスモデルや特徴を整理し、エージェントへの効果的な情報提供のあり方について解説します。

目次

人材紹介会社(エージェント)の種類と特徴

「弊社は20代の地頭の良い優秀層の登録が多いです」「ITエンジニアに特化して集客していて、母集団形成に寄与できます」「きめ細かい候補者対応を徹底しており、内定承諾率には自信があります」など、エージェントの営業は自社のPRポイントを説明します。
各社さまざまな特徴を説明するエージェントが存在しますが、それらは例外なく下記3タイプに大別されます。

(1)一般紹介型・登録型エージェント

最もポピュラーで、数が多いのが一般紹介型・登録型のエージェントです。広告等を使い広く転職希望者を集め、転職者に対しさまざまな企業の求人を紹介します。採用企業にとって初期コストがかからない完全成功報酬型(入社が決まったらフィーが発生)であることが一般的です。
大手エージェントでは分業が進んでおり、法人担当、転職者に対応するコンサルタントに加えて、日程調整担当、スカウト文面の作成担当など、一社に10名以上担当が付いている、ということもザラにあります。

<メリット>
・成功報酬型であるがゆえに、採用コストがシミュレーションやすい
・自社の求職者データベースを持っており、かつ分業が進んでいるため、早期の母集団形成が可能

<デメリット>
・アプローチできる対象が転職サイトに登録している層(転職顕在層)が中心であり、潜在層への訴求がしにくい
・求人一律の採用コンサルティングフィー(想定年収の30~35%)であるため、採用難易度が低い求人でも一定の採用コストがかかる
・企業人事側で転職者側に伝える情報の統制が難しい

(2)サーチ型エージェント(ヘッドハンティング/エグゼクティブサーチ)

広く転職希望者を集め、転職希望者を起点に転職支援を行なうのではなく、企業からの案件ごとに、案件起点で人材をサーチします。サーチ型の専業エージェントに加えて、一般紹介型・登録型と独立させたサーチ型の部署を作っている大手エージェントもあります。一般紹介型・登録型とは異なり、成功報酬だけでなく着手金として依頼時に費用が発生するケースも多いです。同一担当者が、企業との打ち合わせ〜対象者のサーチ〜クロージングまでを行うことが一般的です。
なお、アプローチする対象が転職潜在層も含まれるため、潜在層に応募してもらうためのカジュアル面談の調整や、より込み入った情報の提供など、通常の中途採用とは異なるイレギュラー対応が求められることもあります。
また、採用担当を介さずに、経営者や募集部門の責任者が直接サーチ型エージェントと接点を取って採用を進める場合もあります。

<メリット>
・転職サイトや登録型エージェントにいない転職潜在層へのアプローチが可能
・同一の担当が一気通貫で求職者対応まで行うケースが多く、情報統制がしやすい

<デメリット>
・着手金+採用コンサルティングフィー(年収の40~70%程度)と、採用コストが高額である
・案件を出してから都度対象者をサーチするため、案件依頼〜応募、入社までの時間がかかりやすい

(3)再就職支援型

企業が何らかの事情でやむを得ず人員削減を行う際、人材会社(再就職支援会社)が再就職を支援するサービスです。一般的な転職支援サービスと異なり「採用する側の企業」ではなく「人員削減を行う企業」が費用の大半を負担しているという点が特徴です。

<メリット>
・依頼元である企業からも金銭的な対価を得ている為、採用コンサルティングフィーは低額であり、採用コストが低額

<デメリット>
・特定の年齢(年齢が高い)や業界の登録者が多いなど、母集団が限定的である

どのような情報提供を行えば、エージェントが動くか?

エージェント担当者は、どんなことを知りたいと思っているでしょうか? 今回は最も数が多い一般紹介型・登録型のエージェントの視点で、知りたい情報の例をあげます。

(1)定例での打ち合わせ

「採用計画に対しての進捗と採用課題」と「各ポジションの採用状況」の2点は外すことが出来ません。 担当者は自社経由の応募者以外の状況は見えていません。ゆえに、採用全体がそもそもうまくいっているのか、何に課題意識を持っているのか、当然分かっていません。母集団形成が上手くいっていないのであれば、推薦基準を広げようかな、など顧客状況に応じた対応を行いたいと考える担当者も居ますが、進捗状況や採用課題が分かっていなければ実現不可能です。採用管理システム内のエージェント向けページなどを活用して、タイムリーな情報共有に務めましょう。

(2)新規求人発生のタイミング

「採用背景(なぜ採用するのか?)」「ターゲット人材に求める要件(どんな人に声をかければ良いか?)」「応募喚起材料(どうやって興味を持ってもらうか?)」の3点は、担当者によらず、エージェント側が求人発生時に誰もが把握したい内容です。

私も人事とエージェントの打ち合わせに同席させていただくことがありますが、ターゲット人材の要件の話ばかりして応募喚起材料に関する話をしていない、自社の事業理解が浅いエージェントとの打合わせで採用背景の話を一切しない、エージェント側の理解度に合わせず各社に対して同じ説明を繰り返している、などの場面に遭遇します。

最低限、「なぜ採用するのか」「誰に声をかければよいか」「どうやって興味をもってもらうか」について、エージェント側が理解できている状態を作りましょう。 なお、応募喚起材料についてはエージェント側も知見を持っているケースも多いため、人材要件を元に打ち合わせでディスカッションすることも一手です。


いかがでしたでしょうか。
今回は一般的なエージェントのタイプと特徴を整理し、具体的な2つのケースにおいてエージェント側が知りたい情報のポイントを挙げました。
エージェント担当者の自社理解度、エージェント側でモニタリングしている主要KPI(※)、エージェント側の分業体制、自社採用目標数など、提供すべき情報を決める変数は様々ありますので、もし気になることがあればぜひご相談ください。

※KPI(=Key Performance Indicator)はビジネス用語の一つで、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます

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