採用数を倍増させる採用戦略のつくり方|採用KPIの考え方と事例

「応募数は増加しているが、なかなか内定承諾に繋がらない」
「採用の総数は増えているが、職種間でバラツキがあり、一人も採用できてない部署がある」
「母集団形成のためにエージェントとのコミュニケーションを増やした結果、逆に応募数が減った」
「様々な施策を行っているが、どの施策が成果に繋がったか曖昧である」

このような悩みはありませんか?
採用数や求人数、採用に関わる人数が多い企業ほど、業務が複雑になり採用活動の全体像を把握することが難しくなります。

採用活動の全体像を把握できていないと、成果に繋がりにくい業務に必要以上に時間を掛けたり、一生懸命行っている行動が逆に成果を下げたり、重要な事象への対応が遅れたり、と悪循環になってしまいます。

ではどうすれば良いでしょうか?
今回は、採用活動の全体像を把握し、成果に繋がる改善のPDCを回すための第一ステップとして、採用活動におけるKPIの作り方ついて説明します。

目次

そもそもKPIとは?

「KPI」は目標を達成するための指標の一つで「Key Performance Indicator」を略したものです。目的・ゴールに対して、その達成のためにクリアしなければならない目標(ゴール達成のために分解した定量的な指標)です。
裏を返すと、「KPI」が達成できれば、「ゴール」が達成できるという指標になります。

例えば採用活動に当てはめて考えた場合、「いつまでに、どんな人材を、何名採用するのか」といったゴールに対して、これを達成するためにクリアしなければいけない目標として「内定者数◯◯名、面接設定者◯◯名、毎月〇〇名の応募」といった目標(定量指標)があり、これがKPIになります。

KPIを設定する上でのポイント

・ ゴールや目的に結びつくKPI設定となっているか
・ KPIは定量的な指標であるか
・ 目標とするKPIの水準は適切であるか
・ KPIの中でもゴールへの因果が高い指標、低い指標を把握しているか

採用活動においては、採用職種/採用ターゲットの変更、採用チャネルの変更など変化が常にあるため、状況に合わせた適切なKPI設定となっているか、定期的にモニタリングすることをおすすめします。

なぜKPIを設定する必要があるのか?


・ 面接通過者が大量に発生。面接日程の調整業務が急増し、業務の大半が日程調整となっている
・ 評価が高かった応募者の意向が内定タイミングで急変し、クロージングのためのオファー面談を組むも辞退が多い

上記のような突発的な対応で一日が終わってしまった。
日々の対応をこなし、一生懸命仕事をしているにも関わらず、採用決定という成果に繋がらない。こんな悩みをよく採用担当の方からお聞きします。

このような場合、採用活動の大枠を把握できていないことで、原因が分からず対策が打てていない可能性があります。
大枠を把握できていないと、問題の発見に遅れ、誤った判断をしてしまいます。
採用KPIを設定する目的は「計画(目標)に対しての進捗状況を可視化することで課題発見を早く、しやすくし、業務の優先順位づけや課題解決を行なうこと」です。

管掌範囲が広いマネジメント層にとっては、チームとしての施策は合っているのか?メンバーが取り組んでいる業務は成果に繋がっているのか?などの視点も加わります。

例えば初めてのフルマラソンで目標タイムが4時間というケース。
フルマラソンの経験が豊富な方でない場合、「前半20キロは1キロ5分ペースで、疲れてきた後半は徐々にペースを落とす。ただ1キロ7分を越えると目標に到達しないので、そのラインは死守して、、」のような目標を立てるかと思います。

採用活動においても同様です。
最終的な目標(採用人数)が大きいほど、現状の把握が難しくなりますので、現状の可視化、目標に対しての進捗・ギャップわかるKPIの策定が重要になってきます。

採用活動で重要となる主要なKPI

前述の通り、採用数や採用手法、採用体制、採用方針によって適切なKPIが変わるため、自社に合ったKPIの設定が必要ですが、一般的な主要KPIとしては下記が上げられます。

採用KPI設定

・ 応募者数
・ 書類通過数
・ 一次面接実施数
・ 最終面接実施数
・ 書類選考日数
・ 書類通過〜内定までの日数
・ 面接通過率(一次/最終)
・ 応募からの内定率

KPIをどう設計するか?(事例)

とある架空のケースを元にKPIの設定を実践してみたいと思います。

【採用状況】
・特定職種に偏らず、営業/管理部門/エンジニア職種を中心に年間20名程度の採用目標を立てて採用している
・文系職種(営業/管理部門)は早期に充足するが、理系職種(エンジニア職)が長期化する
・長期化するエンジニア職ほど採用部門のニーズが高く、早期に充足させる必要がある

【目標(=KGI)】
・上期中の理系職種(エンジニア職)の充足(採用枠10名)

過去2年の採用プロセス数字

過去2年間の採用プロセス数値

上記を見て何をKPIに立てますか?

文理別採用プロセス数値

まずは大枠として採用の傾向を把握するために、文系職種/理系職種を分けて数字を整理した内容が上記図です。
ご覧の通り、応募総数としては文系職種が多く、全体の8割以上を占めています。理系職種(エンジニア職)は応募総数が少ないものの、応募数に対しての内定率が19.0%(24/126)と文系職種3.4%(26/754)の約5倍です。
また、内定承諾率から逆算すると、1名の内定承諾に対して理系職種では10名、文系職種は38名の応募が必要となります。

必要KPI(半期/月間)

仮に半期で10名枠の充足を目標とする場合に、「トータルで必要な数字」「月別に必要な数字」は上記図となります。
※通過率や内定承諾率は先に挙げた過去2年の採用プロセス数字を使っています

採用ターゲットは昨年と近いスペックなのか?外部環境(転職マーケット)の変化はあるのか?選考フローは同じか?などによって、数字の微調整は必要であるものの、月単位で必要な数字(KPI)が見えてきたと思います。

エンジニア職10名採用のためには「月間17〜18名程度の応募数」「月間3〜4名の内定者数」が必要になります。

このKPIをベースとして現状と比べて何が課題か?改善できるポイントはないか?検討します。

・ 応募数が足りない → 応募数を増やしたい
  採用チャネルを増やす検討を行う、エージェントへのコミュニケーションを増やす。

・ 一次面接通過率が低い → 面接通過率を上げたい
 NG理由を分析し改善ポイントがないか確認する。ターゲット変更がないか、採用部門に確認をする。

・ 選考辞退が多く内定者が増えない → 辞退を減らしたい
 辞退理由を確認する。辞退理由をベースに、選考スピードや面接での意向醸成など、改善を検討する。

など、最終的に「採用できなかった」という結果が出る前に、早期に課題を把握し、打ち手を打つことで目標達成に近づけることができます。

一般的にエンジニア求人では「書類通過率」及び「各面接の通過率」が高い傾向があり、一定の面接母集団を確保できれば、採用決定に繋がる可能性が高いため、「応募数」「書類通過数」が特に重要なKPIと言えます。

なお、毎年採用を行っている企業では過去実績との比較が可能ですが、それ以外の場合は人材紹介エージェントを通じて、平均値を把握してみるのも良いでしょう。


いかがでしたでしょうか?


今回は汎用的な事例を用いて解説しましたが、前提として採用成功のために重視すべきKPIは各社のゴールや前提条件(職種・採用数・採用体制、等)によって異なります。
したがって、上記をそのまま当てはめれば良いわけではありません。
しかし、採用が上手くいっている企業はすべからく目標達成のためのKPIを設定、見直しを行いながら、日々改善を繰り返しています。
もし適切なKPI設定をせずに、採用活動を進めていらっしゃれば、まずは上記を参考に取り組んでみてください。

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